とある待合室での出来事。
1人づつのソファ-を6つ繋げた長椅子のようなそこに、
間隔を開けて3人座っていた。
暫くして1人の女性が、私の右隣に座ろうとした。
私と、そして前から座っていた女性は
横に置いていた自分の鞄を膝に載せて、
どうぞと言うように少しだけ左右に寄った。
普通ここで、後から来た人は軽く会釈しつつ
ちょっとためらいがちに腰掛けたりするものだけれど、
そのお方、何も無くドスッと座ったかと思ったら、
自分の大きなバッグを私側にこれまたバスッと置いた。
その距離僅か、と言うか、私の物かその人のか分からない位の近さ。
両隣では、この人の為にバッグを足に載せたのだから、
やはり礼儀と言うか、まぁ心と言うか、
ご自身も抱えるのが当然なのではないかしら。
乗り物でもどこでも人との間に座る時って、何となく躊躇いがちになるけれど、
お互いのさりげない気遣いで、とても和やかな空気が流れると言うもの。
日本人の、良い意味での遠慮がちな美しさかな。