子供の日の思い出の1つに、今でも小恥ずかしいものがある。
それは小学5、6年生頃だったと思う。
その日、無性にカップラーメンを食べたくなり、母に買いに行きたいと言うと、
一瞬母の顔色が曇った。
子供の日だからケーキや美味しい和菓子ならわかるが、
何もカップラーメンはないだろうと思ったらしい。
とは言え、子供本人が食べたいのならとお金を渡してくれたので、
近所の酒屋さんに買いに行った。
2、3個カゴに入れレジに持って行くと、やはり子供ながら恥ずかしく感じてきた。
子供の日にこの子ったらカップラーメン…一人で…可哀想に…。
そんな事は言われていないし、お店のおばさんはいつもと変わらないのだけれど、
何となくそんなふうに思われているようで、
支払いを終えるとさっさと出てきてしまった。
途中で近所の人に会わないように、なんて祈りながら走って帰ってきた。
食べる時になったらなったで、なんでこんな日に私はカップラーメンなんだろう、
と自分が情けなくなり、味も何も無かった。
今でも子供の日になると、ケミカルなスープの味と一緒に思い出す。
因みにその時に食べたのは、ワカメラーメンだった。