夜家に帰ると、ベットの上に果物店の袋が置いてあった。
小さなメッセージカードには、
「子供の頃から苺が大好きでしたね。 パパ ママ」
と書かれていた。
両親からの誕生日の贈り物だ。
日頃お世話になっているのだから絶対何も要らないと言う私に、
これなら大喜びするだろう、これくらいなら素直に受け取るだろう、
と考えたようだ。
一粒一粒がとても大きくピカピカと光って、
口に含むとジュワッと甘い果汁が溢れてきて、
身もだえするほど美味しく嬉しく幸せ。
まさか年齢分の粒数かと思ったが、そうではなく安心した。
そこまで凝られていたら、ちょっと切ないね。