クリスマスケーキを食べ損なってしまった。
まぁ、「しまった」というほどの事ではないし、
四六時中ケーキは売っているけれど、
クリスマスのケーキは1年に1回なのだよな、思うと、
ちょっと切なく感じてきた。
私には、切ないケーキの思い出がある。
子供の頃のクリスマスケーキは、母の手作り。
スポンジに生クリームたっぷりのよくあるショートケーキだ。
これが・・・・美味しくなかった。
こう言うと親不孝な娘、罰当たりと言われそうだが、
でも・・・・確かにあれは美味しいとは言いがたい出来だった。
小学生の子供ならどんなケーキだって、嬉しく美味しく感じるはずだ。
それが「これはまずいわ・・・・」と思ったほどなのだから、
母の愛情とは言え許して頂きたい。
しかし、そこは出来た娘。
せっかく母が作ってくれたのだからと、幼い心で気を使い、
口に運んだのを覚えている。
でも確かこのケーキを食べている間だけ、家族みんな無言だったように思う。
それから数年後、好きな人に手作りのクリスマスケーキを贈ったら、
「凄いケーキ」伝説を作ってしまった私。
どうやら、親子そろって手作りのクリスマスケーキには向いていないようね。