七里ガ浜の海岸でも若布干し。
おじいちゃんおばあちゃん、お父さんお母さん総出で、
丁寧に風を通していた。
最初はまだ水分があるからさらさらと揺れているのが、
だんだん乾燥してくると、かさかさと言う音に変わってきて、
同時に、キュンッと縮こまった姿になってくる。
風と太陽の力で旨みがググッと密になった感じ。
お味噌汁に入れたら美味しいだろうなぁ・・・・、
いや炊きたてのご飯に小さくちぎって混ぜたのも良いなぁ・・・・、
なんて考えていたら、自然と足がおじいちゃんの方へ向かってしまった。
「あの・・・・ここで売って貰えますか・・・?」と声をかけると、
「ええんだけんど・・・、まだ乾ききってないがねぇ、
駄目なんよ~、すまんねぇ」と優しく答えて下さった。
私なんてこれでも十分と思ってしまったけれど、
やはりそこはプロ。
きちんとしたものを渡したいのだろう。
帰り際に「すいません、突然に。。。」と挨拶すると、
「すまんの、またなぁ」と腰を屈めて手を振ってくれた。
今度は、お椀とお味噌をもって行っちゃおうかな。