母は華道を教え、父は園芸をこよなく愛し、祖父は植物の教授だったので、
多分小さいころから他の子供よりは草花に親しんでいたとは思うのだけれど、
それでも梅に興味はほとんどなかったと思う。
小学生の頃、梅見の季節はバレンタインにドキドキしたり、
雪で遊んだり、炬燵の中に入って絵を描いたり、
冬の遊びに夢中で、梅の香りや紅白のつぶらな花に
うっとりなんて風流さはまったく無い子供だった。
それが、いつも頃からだろう。
冷たい北風の中、梅の甘い香りが漂ってくれば周辺を捜したり、
濃いピンクの花がほころんでいれば、立ち止まって
眺めたりするようになったのは・・・。
年を重ねるって、こういうことなのかしらね。