アトピー性皮膚炎がこの2カ月ほどでまた広がってきてしまい、
湯治へと向かった。
たまにお会いするお婆ちゃまがいらして、
湯舟のふちでおしゃべりを楽しむ。
暫くしてその方が先に上がられたのだが、
着替えを始められてすぐにガラス扉を開け、
照れくさそうに笑いながら私を呼んでいる。
見ると、なんとお腹の半分ぐらいまで幅のある、
真っ赤なパンツ1枚姿・・・。
正確には、そのまっかっかのパンツの上に肌色の布が巻かれていて、
どうやら腹巻のようなのだが、湿った体のせいか、
それとも恰幅のいいお腹のせいか、布が上まで上がらず、
それを私に引っ張ってほしいのだという。
はいはいお安い御用と、むんずとつかんで、ぐぐぐっと上げる。
調度よい形になったところで、お婆ちゃまが振り返り、
有難うねぇ~と安堵の笑顔と共に、ブルルンッと豊満な胸が揺れる。
人の腹巻を上げる機会もなかなかない事だけれど、
80歳を超しているだろう女性の、特大の赤いパンツ姿を見るのも、
これまた、何というか、有り難い経験をさせて頂いた気持ち。