最近良い本との廻り合いが多く、嬉しい。
この2冊はどちらも、じんわりと心を温めてくれる人間模様が描かれている。
重松清の作品は、ため息の多い日常に一筋の温かい木漏れ日が差すような短編集。
よしもとばななの作品は、父親が知らない女性と無理心中をした家族が、
下北沢の土地と住人によって自分を取り戻していくお話し。
と言うととても軽いが、実はかなりダーク。
でも主人公の女の子の真っ直ぐさ、母と娘の成長ぶりが、
父の死と言う重い土台を柔和と言うか中和してくれている。
立直り物語ではなく、生きる基本となる喜びを教えてくれているように感じた。
そうそう、重松清作品では「峠うどん」が、
現代版人情物語みたいで、とても良かったなぁ。