ミュージシャンの伊太地山伝兵衛さんが亡くなった。
知ったのが番組の2時間ほど前だったにもかかわらず号泣し、暫く放心してしまった。
今も涙が溢れて止まらん。
昼の番組を担当していた頃に毎月ゲストで出演され、
音楽のみならず様々な時事ネタなどをユーモアいっぱいに話して下さった。
爆笑と共に、私の無知にガンガンとカツを入れ、とても多くの事を学ばせて頂いた。
何よりいつも、どんな時も、ニカッと子供みたいな笑顔で、
でも歌い出すともの凄い色気と熱が漂う、
不思議な魅力を持ってらしたと私は感じている。
一度大船のとある居酒屋でライブがあり聴きに行くと、
店全体でなく、一角の座敷だけにファンが集まっての演奏で、
至近距離なんてもんではない。
しかも居酒屋となれば、鍋やらヒラキやらの匂いが充満しているわけだが、
伝兵衛さんのあの渋く柔らかい歌声が、これまた合うのだ。
そうかと思うと、大きなホールでバックには大御所マサチャンズを従えてのライブは、
タキシード姿で格好良くキメテいらしたし、
地方のバー(どこだったか忘れてしもた)では、もう古くからのお馴染みらしく、
後から後からお客さんが、よっ!伝兵衛さん!と声をかけながらやってきた。
伝兵衛さんは自分の歌を求められれば、どこにでも出かけ、
決して裏切らない人だったのではないかな。
だから日本全国、ファンが待っていたのだと思う。
平井堅より先に歌ったんだといつも仰っていた「大きな古時計」も大好きだが、
私が今一番歌ってほしいのは、「見上げてごらん、夜の星を」。
もう一度聴かせてほしいよ、伝兵衛さん。