いかつい男の後ろ姿に対して運動会と言うギャップに惹かれ読んでみたら、
これが表紙のとおりの面白さだった。
極刑者の塀の中での生活描写は、背景に作者の実体験があるだけにとてもリアル。
テーマは題名のとおり、刑務所内の運動会。
万年最下位の組が力を合わせ上位を目指し、監視役まで応援するほどに盛上りを見せる。
その過程で、加害者と被害者の心の温度差についてや、
本当の人情や正義とはどういうものかなどが描かれ、学ぶところがとても多い。
また、忙しく仕事に追われる人は、主人公の心の変化にグッとくるものがあると思う。