五味太郎さんの絵本は、自分が思う常識や目先の価値観に捕らわれているのを、
時に飄々と、時に直球で、ユーモアを交え伝えて下さる。
この本では、正しい凧のあげ方、正しい箸の使い方、正しい買い物の仕方、
正しい雪だるまの作り方・・・・等々、遊びから生活まで
あらゆる事柄の正しさを面白可笑しく描かれている。
中でも私のお気に入りは、正しい魚の食べ方。
「骨をとるのが面倒くさい〜とか、ハンバーグがいい〜とか、
そんな愚痴を言ってはいけない、
魚だって言いたい事は沢山あるのに黙っているのだ。
そんな魚が、こいつに食べられて幸せだと思う食べ方こそ正しい」と。
結局正しいと言うのは決まりはないけれど、
でも相対する人や物への気遣いを持つ事なんだと思った。